コラム
COLUMN
クラウド型とオンプレミス型における入退室管理システムのセキュリティ性
入退室管理システムは、特定のエリアにおける利用者のアクセス情報を管理するためのシステムです。とくにデジタル技術が進化した現代では、クラウド型とオンプレミス型の導入により、入退室管理システムでのアクセス情報の保存や分析が容易になりました。このシステムにより、企業や施設は特定のエリアやデジタルサーバー内への入退室の状況を把握し、外部のクラウドサーバーによる不正アクセスのセキュリティを強化できます。さらに、適切な生体認証手段を入退室管理システムに導入することで、不正アクセスのリスク低減に貢献します。
◎入退室管理システムを導入する必要性
現代のビジネス環境では、入退室管理システムによる情報セキュリティが極めて重要視されています。企業は顧客情報、従業員データ、取引先との機密情報など、膨大な量のデータを保有しています。これらの情報はしばしばクラウドのサイバー攻撃の対象となり、不正アクセスや情報漏洩が発生すれば、企業にとって重大な損失を引き起こす可能性があります。入退室管理システムは、組織におけるセキュリティ確保のために不可欠な存在とされます。入退室管理システムは、物理的なアクセスを制御することで、情報セキュリティの一環として機能します。たとえば、データセンターやサーバールームなど、機密情報を取り扱う場所への入退室管理アクセスを厳密に管理することで、許可された人物のみが入室できるようになります。これにより、内部不正や外部クラウドからの不正アクセスのリスクを大幅に低減します。企業内での情報漏洩や不正アクセスを防ぎ、従業員や来訪者の安全を守ることが第一の目的ですが、入退室管理システムは勤怠管理にも利用できます。また、企業は、従業員の安全を確保し、安心して働ける職場環境を提供する責任があります。入退室管理システムは、これを支える重要なツールとなります。たとえば、入退室管理システムで特定のエリアへのアクセスを制限することで、許可された従業員のみが危険な機械や有害物質を取り扱う場所に入れるようにすることができます。これにより、事故のリスクを減らし、安全な作業環境を維持することが可能です。さらに、入退室管理の記録を基に、従業員の行動パターンを把握することで、職場のセキュリティ向上にもつながります。たとえば、通常勤務時間外に特定のエリアへのアクセスが頻繁に発生している場合、管理者は異常な行動として認識し、迅速に対策を講じることができます。
◎インターネットを経由するクラウド型の仕組み
クラウド型入退室管理システムは、インターネットを通じて管理データをクラウドサーバーに保存し、入退室管理と監視を行う仕組みです。クラウド型ではデータの保存、処理、アクセス管理などをクラウド上で行うため、物理的なサーバーやインフラストラクチャーを自社で保有する必要がありません。入退室管理の記録や利用者情報、アクセス履歴などのデータをクラウドサーバーに保存することで、膨大なデータの保存容量が柔軟に拡張できます。クラウドを使うことで、利用者はどこからでもインターネットを通じてリアルタイムでデータに遠隔操作アクセスができます。管理者はリモートで利用者の入退室管理の状況を監視したり、必要に応じてクラウドシステムを更新したりします。モバイルアクセスと遠隔管理管理者は、どこにいてもインターネット接続でクラウドベースの入退室管理ポータルにアクセスできます。オフィス本社以外の支社など遠隔地からでも迅速に入退室管理システムの監視や設定変更が可能となり、緊急時の対応も容易です。これにより、企業は入退室管理システムの傾向を把握し、セキュリティ対策の改善やリソースの最適化を行うことが可能です。しかし、クラウド型システムは、インターネット接続に依存しているため、必要なときに正確な入退室管理システムが機能しない場合があります。たとえば、ネットワーク障害や接続の遅延が発生した場合に、クラウドシステムのパフォーマンスやアクセスが制限される可能性があります。とくに重要な入退室管理が行われる施設では、インターネットの信頼性がクラウドシステムの稼働性に直接影響します。クラウドサービスプロバイダーは、クラウドデータの暗号化やアクセス制御、バックアップなど入退室管理のセキュリティ対策を提供します。認証入退室を行う利用者がICカードをスキャンしたり、生体認証を行うと、その情報が即座に入退室デバイスからクラウドサーバーに送信されます。送信されるデータは暗号化されており、不正アクセスから保護されています。リアルタイム監視管理は、クラウドベースの管理ポータルにアクセスして、アクセス権限の設定変更や、異常な入退室が発生した際のアラート設定なども行うことができます。しかし、入退室管理システムに読み込んだデータ保存はインターネットを介するため、ハッキングやデータ漏洩のリスクが高まります。セキュリティ性が低いクラウド型は、データが外部のサーバーに保存されるため、データセキュリティとプライバシーの懸念があげられます。第三者によるアクセスのリスクが増加するため、とくに機密性の高いデータを扱う企業では、クラウド型入退室管理システムのセキュリティ対策の適切性を慎重に評価する必要があります。
◎自社で管理できるオンプレミス型の仕組み
入退室管理システムで使われるオンプレミス型とは、システムのハードウェアやソフトウェアをユーザーである企業や組織の施設内に設置し、運用・管理する方式を指します。入退室管理システムのサーバー、ネットワーク機器、センサー、カメラ、カードリーダーなどのハードウェアデータは自社のデータセンターやサーバールームに保管されます。オンプレミス型は、インターネットを利用するクラウド型とは異なるため、高度なセキュリティとデータの完全な入退室管理制御を提供します。オンプレミス型のシステムは、自社のニーズに合わせて入退室管理システムを細かくカスタマイズすることが可能です。クラウド型では導入当初の時点でクラウドの入退室管理システム内容が決まりますので、オンプレミス型のようにオリジナルのカスタマイズができません。従業員数が多い企業は、特定の要件や既存のITインフラに合わせて柔軟に調整することができます。またオンプレミス型の入退室管理システムは、既存の社内システムやインフラと統合できます。たとえば、既存のセキュリティシステムやERPシステムと連携することが容易で、社内のIT環境やデジタルシステムに統合することができます。オンプレミス型の特徴であるインターネットに依存しないデータ管理方法は、入退室管理システムで読み込んだすべてのデータとシステムが自社内で管理されるため、外部からのハッキングやデータ漏洩のリスクを低減できます。クラウド型では脆弱であった入退室管理の防犯性も、オンプレミス型の高度なセキュリティで利用者の信頼性を高めることができます。とくに、政府機関や金融機関などの、高いセキュリティを要求される業界の入退室管理システムでは、オンプレミス型が好まれます。オンプレミス型の入退室管理システムは自社内のネットワーク上で動作するため、インターネット接続の障害や速度の問題に影響されることがありません。クラウド型のようにインターネットの回線状況に左右されないため、安定した運用が可能です。入退室管理システム以外の緊急時でも、社内のローカルネットワークが機能していればシステムの使用が継続できます。たとえば広い範囲でサーバー攻撃が発生した場合、クラウド型は保護管理していた情報が流出したり、クラウドサーバーそのものが停止する可能性もあります。しかし自主運用しているオンプレミス型の入退室管理システムであれば、情報流出を最低限に食い止め、サーバー復旧にもすぐに対応することができます。このように、オンプレミス型の入退室管理システムは、高いセキュリティ要件、規制の厳格な遵守、インターネット接続の不安定さ、特定のカスタマイズ要件、既存のITインフラとの統合が必要な環境などに適しています。
◎生体認証によるオンプレミス型の入退室管理システム
入退室管理システムのデータ管理は、生体認証機器を導入することで多くのメリットを手にいれることができます。とくにオンプレミス型であれば、入退室管理を設けるエリアのセキュリティが高くなります。これは、クラウド型では難しいカスタムや多様なアレンジ設定ができるためです。入退室管理システムに利用される生体認証は、暗証番号やカードキーに比べて偽造や盗難が非常に困難です。個人固有の生体情報を使うため、従来の認証方法に比べてセキュリティが格段に向上するため不正アクセスの防止に有効的です。オンプレミス型の入退室管理システムは取得した生体情報の暗号化方法や保存場所をカスタマイズし、データの安全性を確保します。たとえば、生体情報をサーバ内の特定のセキュリティエリアに保存し、アクセス制限を強化することができます。これにより、他社のクラウドによるハッキングや情報流出の危険性が少なくなります。また自社内で入退室管理システムで取得した生体情報を管理することで、誰がどのデータにアクセスできるかを詳細に制御できコンプライアンスや内部監査にも対応しやすくなります。生体認証の使用状況を詳細にログ管理し、どのデータがどのように使用されているかを追跡できるように設定します。プライバシー規制に従ったデータの入退室管理を行うことで、法的遵守も確保できます。生体認証をほかの認証方法と組み合わせることで、二重認証の入退室管理システムを実現し、さらに強固なセキュリティ対策と認証の厳密さを調整することが可能です。たとえば、顔認証システムのアクセスレベルを調整して、認証の許容範囲を高精度化したり、またはアクセスレベルを落とすことができます。これにより、誤認識のリスクを最小限におさえながら、利用者の利便性を向上させることができます。オンプレミス型は自社に適したセキュリティ設定をするので、入退室管理のアクセスレベルに応じたセキュリティをレイアウトします。すべてのデータが自社のサーバーや施設内で管理されるため、入退室管理システムで読み取った生体情報が外部のクラウドサーバーに送信されるリスクがありません。これにより、データの漏洩リスクを最小限にしてプライバシー保護も強化されます。このように入退室管理システムに、オンプレミス型のデータ管理システムを利用することで、生体認証機器の導入とその後のカスタマイズが柔軟に行えます。企業のセキュリティポリシーに完全に適合する生体認証システムを構築でき、より高い安全性と効率性を実現します。
◎入退室管理に導入できるオンプレミス型の認証リーダー
KJ TECH japanではクラウド型とは異なった、オンプレミス型の生体認証リーダーを開発しています。顔のパーツを認証部位として利用し、入退室管理システムと連動できる顔認証リーダーFE-500Lがあります。FE-500Lは最大3,000人の顔情報を登録し、100,000回の認証ログ履歴をデータ保管します。認証時は1度に最大3人までの顔を読み込む複数顔認証の機能が搭載されています。顔認証は、オフィスで働く従業員の出勤や退勤時の入退室管理システムに導入されます。複数認証機能でより多くの顔を短時間で読み込み、顔情報を抽出するので作業効率の向上につながります。またFE-500Lは、認証時間1秒以内(3K1:Nモード)で正確な入退室管理認証を行う世界最高水準の認証速度を持ちます。1人ひとりの迅速な認証と、短時間で多くの従業員の顔を認識するため、スムーズな認証を提供します。朝の混雑している時間帯でも認証速度が早いため、出入り口の滞留が減少します。この仕組みは、内部の人間による不正入室や不審者に対する早期発見にもつながります。FE-500Lの専用カメラは顔画像の撮影にデュアルカメラを使用することで、顔の立体的な形状を捉え、3Dマッピングを行います。これにより、平面的な画像ではなく、立体的な顔データを取得できます。デュアルカメラは、異なる視点から同時に部分的な顔のパーツデータを収集するため、認証の精度が向上します。とくに顔の特徴点を複数の角度から捉えることで、認証エラーが少なくなり、精度の高い認証ができます。FE-500Lは、「フェイス+マスク検出」機能が搭載されています。「フェイス+マスク検出」はマスクを必要とする現場での入退室管理システムでマスク未着用の人間には認証許可がおりません。たとえば医療機関や、空港のような感染症拡大を防止するエリアでは有効的とされます。このようなエリアではクラウド型では対応できない情報管理が多く、オンプレミス型の管理システム拡大にもつながっています。KJ-3500Hはカード認証もしくは暗証番号認証と複数でセキュリティ防止ができる指紋認証リーダーです。利用するカードは入退室管理システムと連動した勤怠管理で使用する社員証や個人カードと紐づけができます。カードの種類はMifare、iclass、lclass SE、FelicaなどのICチップ内蔵型のカードを指します。交通系のカードやクレジットカードと紐づけしている従業員も多く、カードに内蔵されているチップには、さまざまな個人情報が保護されています。そのためクラウド型のデータ保管は、1人ひとりのカード対応のカスタムセキュリティができない場合があります。KJ-3500Hの指紋抽出には500DPI光学センサーを利用した優れたアルゴリズムを搭載しています。世界最速の指紋認証リーダーとして、さまざまな分野の入退室管理システムに活用されています。指紋は顔のパーツのように経年変化せず、一生涯変わることはありません。他人による偽造は困難ですが、万が一指紋の情報が流出してしまうと個人情報が悪用される危険性が非常に高まります。指紋情報の流出を防ぐためには高度なセキュリティが必要であり、データの保管場所や管理方法が重要となります。クラウド型の場合、インターネットを利用して情報を操作するため個人情報の保護に脆弱性がでます。認証で利用した情報と入退室管理認証ログの記録を紐づけることで、勤怠管理や労務管理に活用する企業も多くあります。たとえば新たに部署が発足されたり、既存の姉妹会社と入退室管理システムを統合する場合、クラウド型でのデータ保管は活用しにくいことが発生します。その場合、オンプレミス型の入退室管理であれば、企業の経営変化に柔軟に対応することができます。
◎まとめ
クラウド型はインターネットを通じて情報データを管理するのに対し、オンプレミス型の入退室管理システムは、企業内部にサーバーを設置します。そのため高度なセキュリティと、細かなカスタマイズ設定を提供します。デジタル技術が進化した現代では、用途やニーズに応じて最適なシステムを選ぶことが重要です。KJ TECH japanでは企業ごとに適したセキュリティを構築できるオンプレミス型の認証製品を取り扱っています。オンプレミス型の入退室管理システムでのご相談は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。