コラム
COLUMN
福祉施設の入退室管理を実現する安全で効率的な顔認証システム
人手不足が深刻な福祉施設において、利用者の安全を守る入退室管理は、職員の業務負担と徘徊・不審者侵入リスクという複合的な課題に直面しています。従来の鍵や接触型システムでは、セキュリティ強化と衛生管理を同時に行うことが難しいのが現状です。こうした状況を踏まえ、非接触かつ高精度の認証を実現する顔認証システムを活用した入退室管理が注目されています。
◎福祉施設が直面する入退室管理の課題
福祉施設における入退室管理には、利用者の安全に関わる重要な課題があります。とくに、福祉施設利用者の徘徊や無断外出のリスクは、転倒や行方不明といった深刻な事故につながる恐れがあります。しかし、限られた人員のなかで、24時間入退室管理を行うことは現実的に難しく、職員の方々の大きな負担となっています。夜間の職員配置数が少ない時間帯の不審者侵入リスクも深刻です。従来の物理的な鍵やカード認証、暗証番号などの入退室管理システムでは、鍵の紛失やカードの使い回し、暗証番号の外部流出により、不正侵入リスクを完全に防ぐのは難しいのが現状といえます。従来の入退室管理では不審者を見分けるのが難しいという課題を解決するには、設備機器を導入して入退室管理を確実に行うことが重要です。厚労省のガイドラインでも、外部からの人の立ち入りができる場所と禁ずる場所の区分けや、入退室管理体制の強化が求められています。とくに、福祉施設の夜間帯において、入退室管理のセキュリティ対策を人の手だけで徹底し、不正を防ぐことは困難です。こうした入退室管理に関する課題を根本から解決するためには、鍵やカードを不要とする新しいシステムである顔認証技術の導入が有効です。入退室管理は福祉施設職員の業務効率化を阻む大きな要因のひとつです。鍵や暗証番号の管理、勤怠管理と入退室管理記録の手動作業では、多くの時間が奪われています。この煩雑さは勤怠データの正確性にも影響し、職員の負担増につながっているのです。厚労省の「社会福祉施設などにおける防犯にかかる安全の確保について」にもとづき、福祉施設は防犯にかかる安全対策を確実に行う必要があります。具体的には、鍵や暗証番号を随時変更し、福祉施設の元職員や元入所者など関係者以外のものが不正に侵入できないようにする対策が求められています。しかし、これらの入退室管理における物理的なセキュリティ対策は、福祉施設の職員の手間を増やし、限られた人員での対応にさらなる負荷をかけています。入退室管理における煩雑さを解消し、福祉施設の職員の負担軽減を実現するには、入退室管理から勤怠管理までを自動化し、人手に頼らない入退室管理システムへの転換が重要なポイントになります。近年の社会情勢においては、福祉施設には感染症対策のための衛生管理の徹底が求められています。しかし、暗証番号の接触型の入退室管理システムは、不特定多数の職員が触れることによるウイルスや細菌感染の衛生リスクを常に抱えています。非接触かつ高精度な顔認証システムは、こうした入退室管理における衛生管理とセキュリティ、利便性の三方を満たす現実的かつ効果的な解決策として注目されているのです。
◎福祉施設の入退室管理の課題を解決する顔認証システムの仕組み
福祉施設では、限られた人員で利用者の安全を守りながら日々の業務をこなしています。福祉施設での入退室管理の課題を解決するための有効な手段として注目されているのが顔認証システムです。顔認証システムとは、個人の顔の特徴点を認識し、あらかじめ登録された顔データと照合することで、入退室管理における本人確認を自動で行う生体認証技術です。従来のカードや暗証番号を用いた入退室管理と比べて、福祉施設の入退室管理を強化するのに非常に有効な方法です。顔認証とは、カメラで撮影した画像や映像から、目・鼻・口の位置関係や顔の比率などの特徴を抽出し、本人確認を行う生体認証技術の一種です。指紋認証や静脈認証、虹彩認証と並び、現代のセキュリティ対策として急速に普及しています。近年の顔認証の技術は、AIの深層学習(ディープラーニング)の進化により、その精度が格段に向上しています。ディープラーニングとは、コンピューターが大量のデータから特徴やルールを自ら見つけ出すAI技術であり、これにより、照明が暗い場所やマスク、眼鏡を着用した状態でも、福祉施設の現場で安定した認証が行えるようになりました。顔認証の認証方式には、2D認証方式と3D認証方式の2種類があります。2D認証方式は、顔を平面的な画像として認証する方法で、対応機器が多く手軽に導入しやすい反面、写真によるなりすましのリスクがあります。これに対し、3D認証は、顔の凹凸や奥行き情報を測定するライブ検出機能(赤外線LED)を備えているため、不正な立ち入りを防ぎ、入退室管理のセキュリティを向上できます。顔の立体情報で認証するため、メイクや眼鏡の着用にも左右されにくいという点も特徴です。さらに、福祉施設の入退室管理における顔認証システムの運用形態は、リーダー自体で認証を完結するエッジ型と、サーバーにデータを送って認証を行うサーバー型の2つに分けられます。サーバー型は、クラウド型とオンプレミス型に分けられます。複数の福祉施設の入退室管理データを一元管理したい、運用や費用面で柔軟性を求める場合はクラウド型を、セキュリティ強度を優先したい場合には、オンプレミス型が有効な選択といえます。入退室管理において、顔認証システムの高精度かつ非接触な仕組みは、福祉施設の安全と効率の課題を解決するためには重要です。
◎福祉施設の入退室管理を実現する顔認証システムのメリット
人手不足が深刻な福祉施設にとって、顔認証システムの導入は業務効率化に大きく貢献します。限られた人員のなかで業務効率化を実現できる点は、大きなメリットのひとつです。従来の入退室管理による職員の業務負担を軽減し、ランニングコストを抑えることにもつながります。鍵やカードといった物理的なツールは、紛失、盗難、破損のリスクを常に伴います。これらの事態が発生すると、職員は再発行手続きや鍵交換といった手間のかかる作業に多くの時間を取られてしまいます。顔認証は生体認証であるため、これらの入退室管理に関わる業務が不要になり、ランニングコストの削減が可能です。入退室管理の記録は、勤怠管理や利用者の在籍確認の基礎データとなります。顔認証システムは入退室管理データを取得し、勤怠管理システムと連携します。これによりタイムカードの集計や記録ミスの修正といった事務作業が自動化され、職員の業務負担を大幅に軽減することが可能です。この正確なデータ管理は、法令遵守を徹底し、不必要な残業代発生も抑制します。顔認証システムがもたらすセキュリティ強化は、不審者侵入や徘徊リスクの防止にとどまらず、法令遵守(コンプライアンス)の観点からも重要です。従来のカードや暗証番号は、盗難や漏洩による第三者によるなりすましが懸念されています。これに対し、生体認証である顔認証は本人以外のアクセスを完全に排除します。とくに、3D 認証方式を採用したシステムであれば、不正な入室を確実に防ぎ、セキュリティを非常に高いレベルで強化できるため、厚労省ガイドラインが求める入退室管理体制の強化や夜間の安全対策を、人手を介さずに満たすことが可能です。福祉施設には、薬品庫、職員の事務室など利用者の入室を厳しく制限すべきエリアが存在します。顔認証システムを用いた入退室管理システムは、利用者と職員のアクセス権限を細かく分けて設定でき、許可されていない人物が入室しようとした場合には自動で扉を施錠します。多機能型事業所などでは、このエリア制限の自動化が安全な入退室管理を実現するために大切なポイントです。また、利用者が許可されていない通用口や特定の扉から退出しようとした場合には、自動的に扉の施錠を維持します。これにより職員が常に監視しなくても、徘徊や無断外出による事故リスクを未然に防ぎ、利用者の安全管理をシステム側でサポートし、「いつ、誰が、どこに入退室したか」という入退室管理記録が自動で集められ、一元管理されます。これにより、行政監査や内部監査の際に、入退室管理が正しく行われていることをデータで証明することが可能です。また利用者家族への説明する際にも客観的な記録があることで大きな信頼につながります。入退室の記録が正確になることで、福祉施設運営の質と信頼性が高まるのです。顔認証システムは、福祉施設が抱える衛生管理の課題に対しても有効な解決策です。接触型の入退室管理システムに代わり、非接触型の顔認証を導入することで、感染症対策を徹底し、職員と利用者の衛生リスクを軽減できます。また、多くのシステムが検温機能と連携し、入室と同時に発熱者の入室を制限することもできます。このように利用者と職員の安全を守り、安心して利用できる衛生的な環境を提供することが可能です。入退室管理をシステム化することで、福祉施設全体の業務効率が上がり、データ管理がより確実になります。入退室管理データが一元管理されることで、施設運営におけるリスクマネジメントにもつながり、安心と信頼のもとで質の高い施設運営を実現できるのです。
◎顔認証リーダーFE-500を用いた福祉施設の入退室管理
KJ TECH japanの顔認証リーダーFE-500は、衛生管理、セキュリティ強化、業務効率化という3つの視点から福祉施設にとって非常に有用です。非接触で認証でき、マスクを着用した状態でも高精度な顔認証を維持できるため、入退室管理強化を実現します。また福祉施設の入退室管理においてセキュリティ強化も重要です。FE-500は、顔の凹凸や奥行きを測定する3D赤外線認証方式を採用しています。これにより一般的な2D画像や写真、3Dマスクを使った高度ななりすましを完全に防止することが可能です。入退室管理に求められる認証精度において、不正侵入リスクを極限まで低減できます。FE-500は顔認証はもちろん、カードや暗証番号、QRコードでの認証が選べます。顔登録が難しい利用者や面会に来たご家族、頻繁に出入りする外部業者に対しては、顔認証ではなく、一時的なQRコードや専用のカードキーを発行することで、厳格な入退室管理を維持しつつ、柔軟な運用が可能です。FE-500は認証速度が0.3秒未満と業界トップクラスを誇ります。朝の出勤時や外出時、退勤時など職員や利用者の出入りが集中する時間帯でも立ち止まることなく入退室できます。高速顔認証は職員の業務効率化に直結するだけでなく、認証のために立ち止まることが難しい利用者の負担軽減にもなります。職員の入退室記録をそのまま勤怠管理に利用でき、事務作業を大幅に軽減します。さらに、IP65の防水防塵性能をそなえ、対応温度は−20℃〜60℃、湿度は10%〜90%とあらゆる環境に対応可能です。屋内だけでなく、屋外の職員通用口などにも設置できます。
◎福祉施設の入退室管理を効率化する顔認証リーダーFE-500の導入事例
顔認証リーダーFE-500は、人手不足の福祉施設でも、セキュリティ、利便性、業務効率のすべてを高い水準で満たし、安全で効率的な入退室管理を実現します。
⚪︎介護施設の夜間通用口に顔認証リーダーFE-500を導入
従来の鍵やカードによる入退室管理では、鍵の閉め忘れやカードの紛失による不審者の侵入、あるいは元職員などによる不正アクセスの懸念があり、セキュリティが脆弱でした。夜間は配置職員数が少ないため、利用者の徘徊や無断外出リスクを完全に防ぐことが困難な状況でした。顔認証リーダーFE-500を導入することで、職員以外の不正な入室をシャットアウトでき、夜間帯のセキュリティレベルを最高水準に強化、職員や利用者の安心安全にもつながりました。また入退室管理システムは入室を許可された職員のみを識別するため、利用者の無断外出を防止し、入退室管理体制を根本的に強化することに成功しています。
⚪︎障害者施設に顔認証リーダーFE-500を導入
障害者施設である多機能型事業所では、作業エリアと休憩エリア、危険物のある倉庫への入退室管理が課題でした。顔認証リーダーFE-500を導入した結果、職員は顔認証で全エリアにアクセス可能とし、利用者については、それぞれの支援計画にもとづき、生活介護エリアのみアクセス可、就労B型エリアは不可といったアクセス権限をシステムに登録しました。これにより職員が常時監視しなくても入退室管理が可能になり、安全対策が徹底されました。
◎まとめ
福祉施設の安全で効率的な入退室管理を実現する顔認証システムは、人手不足が深刻化する現代において、職員の負担軽減と安定した施設運営に有効な手段といえます。3D認証で不正アクセスを排除し、衛生管理の徹底と業務の効率化で最高水準の安全を実現します。福祉施設の入退室管理に顔認証システムの導入をご検討の際は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。



