コラム
COLUMN
自動ドアの課題を解決するカードリーダーの後付け
近年普及している自動ドアは、利便性の高い設備である一方で、誰でも通過できる仕組みのため、不審者の侵入を完全に防ぐことは難しいという課題があります。その解決策として注目されているのが、カードリーダーを自動ドアに後付けする方法です。とくにカード認証と暗証番号認証に対応したカードリーダーは、利便性とセキュリティを両立でき、多くの企業で導入が進んでいます。
◎自動ドアにおけるセキュリティの問題点
自動ドアは、オフィスビルや病院、商業施設、マンションのエントランスなど、幅広い場所で導入されており、今では利便性を象徴する設備といえます。人が近づくだけで開く自動ドアは、荷物を持っていてもスムーズに通過でき、多くの人にとって欠かせない存在となっています。しかし、自動ドアは利便性を優先して設計されているため、セキュリティ面では大きな課題を抱えています。自動ドアは「誰が通過しているのか」を識別できません。センサーが反応すれば誰でも開いてしまうため、従業員と不審者を区別できず、不正侵入を許してしまう恐れがあります。商業施設のように、不特定多数が出入りする場面では大きな問題とならない場合もありますが、オフィスや研究施設、病院の制限区域など、入室制限が求められる場所では深刻なリスクにつながります。つまり、自動ドアは便利に見えても、実際には誰でも通れてしまう入口となり得るのです。さらに、自動ドアには「共連れ」というリスクがあります。自動ドアは1度開くと複数人が続けて通過できるため、正規の利用者の直後に不審者が侵入する可能性があります。外見上は問題なく入退室が行われているように見えても共連れによってセキュリティは大きく損なわれてしまうのです。加えて、自動ドアの「閉まり方が緩やか」である点も見逃せません。安全性を重視して人や物を挟まないようゆっくり閉まる仕組みになっているため、不審者にとっては侵入のチャンスとなります。とくに人通りの多い場所では、自動ドアが頻繁に開閉を繰り返し、半開きの状態が続くことで、侵入しやすい状況がうまれてしまいます。このように、自動ドアは利便性に優れる一方で、誰でも通れる仕組み、共連れのリスク、閉まり方の緩さといった複数の弱点を抱えています。これらの課題を解決しなければ、自動ドアは便利な入口であっても、安全な入口にはなりません。そのため、自動ドアにはカードリーダーを後付けし、本人認証を必須とするなどのセキュリティ対策が不可欠なのです。
◎カードリーダー後付けで実現する自動ドアの強化
自動ドアは利便性に優れる一方で、セキュリティ面では数多くの課題を抱えています。その有効な解決策として広く採用されているのが、自動ドアにカードリーダーを後付けする方法です。自動ドアにカードリーダーを設置することで、自動開閉だけの装置に「本人確認」の仕組みを加えられ、誰が自動ドアを通過するのかを確実に識別できるようになります。とくに、カード認証と暗証番号認証の両方に対応したカードリーダーを自動ドアに後付けすれば、利用者に応じて柔軟な入退室管理を実現できます。たとえば、社員証ICカードを活用したカードリーダー運用では、従業員は普段から持ち歩いているカードをそのまま自動ドアで利用でき、余計な手間をかけずに快適に入館が可能となります。カードリーダーをシステムと連携させ、ICカードと社員IDを紐づけることで、いつ・誰が・どの自動ドアを通過したかというログを詳細に記録できます。これにより、不審者の侵入防止に役立つだけでなく、万一のトラブルや事故が発生した際にも、カードリーダーの記録から原因追跡や状況把握を容易に行うことが可能です。自動ドアに後付けしたカードリーダーでは、暗証番号認証を組み合わせることもできます。外部からの来訪者や一時的に出入りする作業員に暗証番号を発行すれば、自動ドアを利用可能な時間帯や場所を限定できるため、セキュリティを維持しながら利便性を確保できます。社員はカードリーダーによるカード認証を利用し、来訪者は暗証番号認証を利用するといった具合に、自動ドアごとに異なるルールを設けることができるのも大きな魅力です。複数の認証方式を組み合わせることで、カードリーダーは自動ドアを柔軟かつ堅牢に運用するために欠かせない存在となります。自動ドアにカードリーダーを後付けするメリットは、利便性を損なわないことにもあります。従業員はカードをかざすだけで認証が完了し、そのまま自動ドアが開くため、荷物を持っていても問題なく通過できます。従来のドアに電気錠を取り付ける場合に比べ、自動ドアとカードリーダーの組み合わせは、利用者にとってストレスが少ないのが特徴です。加えて、自動ドアにカードリーダーを後付けすることは、セキュリティ強化だけでなく入退室の可視化にもつながります。ログを通じて誰がいつ自動ドアを通過したのかを把握できるため、トラブルや事故の予防に効果的です。とくに、病院の薬品保管庫や研究所の実験室といった高度な管理が求められる場所では、自動ドアを利用した履歴が信頼性を担保する重要な証拠となります。このように、自動ドアにカードリーダーを後付けすることは、不審者の侵入防止にとどまらず、利便性と安全性の両立、柔軟な運用、入退室の可視化といった複数の価値をもたらします。単なる便利な入口だった自動ドアを、企業や施設にとって安心と信頼を備えたゲートへと進化させる有効な手段といえます。
◎自動ドアを活用できる後付けのメリット
自動ドアにカードリーダーを導入する方法には、大きくわけて2つの選択肢があります。ひとつは新築時にあらかじめ組み込むケース、もうひとつは既存の自動ドアに後付けするケースです。なかでも、すでに稼働している自動ドアにカードリーダーを後付けする方法は、多くの企業や施設にとって導入しやすく、現実的な選択肢となっています。新築時に比べ、コスト面や施工面で大きなメリットを持つ点が理由です。後付けの最大の魅力は、現在利用している自動ドアをそのまま活用できることにあります。大規模な改修工事や設備の入れ替えを行わなくても、必要な場所にカードリーダーを設置し、本人認証の仕組みを付け加えるだけで即座に運用を開始できます。そのため、既設の自動ドアを撤去して新しいものに交換する必要がなく、設備投資を最小限におさえることが可能です。とくに、複数の自動ドアを抱えるオフィスビルや商業施設では、1台ごとの削減効果が積み重なり、全体として大きなコストメリットを感じられます。さらに、施工にかかる期間が短いのも後付けならではの大きなメリットです。自動ドアそのものを交換する工事では、どうしても数日から数週間の工期が必要となり、その間は施設の一部を閉鎖したり、業務や営業に支障をきたす可能性があります。カードリーダーを後付けする場合は、比較的短時間の施工で済むことが多く、建物の通常利用を続けながら作業を進められるケースが大半です。日常の業務を止めることなくセキュリティを高められる点は、人の出入りが頻繁な企業、医療機関、教育機関、商業施設などにとって大きな魅力といえます。また、後付けは段階的な導入にも適しています。たとえば、まずは最も利用者が多いメインエントランスの自動ドアにカードリーダーを後付けし、運用実績や利用者の反応を確認したうえで、徐々にほかの出入り口へ拡大するといった方法が可能です。このように段階を踏んだ導入を行えば、1度に大きな投資を行わなくても済み、企業の予算や施設の利用状況に応じて最適なタイミングでセキュリティを強化できます。とくに長期的な計画を立てる場合、柔軟な拡張性を持つ後付け方式は大きなメリットをもたらします。後付けは将来の拡張性にも優れています。最初はシンプルにカード認証だけで運用を開始し、のちに暗証番号認証や二重認証を組み合わせるといったステップアップも可能です。後付けであれば、利用環境やセキュリティ要求が変化した場合にも柔軟に対応でき、長期的に見ても無駄のない選択肢となります。このように、自動ドアにカードリーダーを後付けする方法は、コスト削減、施工期間の短縮、業務への影響の少なさ、段階的な導入のしやすさ、将来の拡張性といった多くのメリットがあります。単なる暫定的な対策ではなく、将来的なセキュリティ計画の一環として位置付けられるのが、後付けという手法の大きな魅力なのです。
◎自動ドアへの後付けに特化したカードリーダーKJ-150
KJ TECH japanのカードリーダーKJ-150は、自動ドアの入退室管理をより厳密に行うために設計された専用リーダーです。既存の自動ドアに後付けできる仕様となっているため、建物の構造を大きく変更する必要がなく、スムーズかつ効率的にセキュリティを強化できます。新築時に専用システムを導入するのと比べて負担が少なく、すでに稼働している自動ドアをそのまま活用しながら本人認証を追加できる点が大きな魅力です。カードリーダーKJ-150はシンプルで落ち着いたデザインを採用しており、オフィスビルや公共施設、商業施設など、幅広い空間の自動ドアに自然になじみます。さらに、防雨形IPX3に対応しているため、屋外に設置された自動ドアにも後付け可能であり、屋内外を問わずに柔軟に活用できる点は、さまざまな施設にとって大きなメリットとなります。加えて、カードリーダーKJ-150はインターホンとの連動機能を備えている点でも注目されています。EM-A端子を介して接続することで、インターホン親機から自動ドアを遠隔で解錠できるため、来訪者の確認と入退室管理を一体的に行うことが可能です。管理者がわざわざ自動ドア前まで移動する必要がなくなるため、利便性だけでなく業務効率の向上にもつながります。さらに、カード認証だけでなく、暗証番号認証にも対応しているため、柔軟な運用を実現できます。カードを忘れたり紛失した場合でも、あらかじめ設定した暗証番号を入力すれば自動ドアを解錠でき、利用者にとって安心感のある仕組みとなっています。カードリーダーへの依存度を下げることで、管理者側の負担も軽減できます。暗証番号認証とインターホン連動を組み合わせれば、時間外や来訪者対応時にもセキュリティを維持しながら利便性を高められるのも、後付け型カードリーダーならではのメリットです。
◎自動ドアにカードリーダーKJ-150を後付けした事例
カードリーダーを導入することで、自動ドアに本人確認の機能を備えられ、利便性を損なわずにセキュリティを大幅に向上させることが可能です。
⚪︎建設会社にカードリーダーKJ-150を導入
建設会社では、社員や取引先など多くの人が自動ドアを通じて出入りしていたことから、機密情報を守るために自動ドアへカードリーダーKJ-150を後付けしました。導入後は、社員に配布した専用カードをカードリーダーにかざすことで、本人確認を行いながら自動ドアを通過できるようになり、セキュリティの精度が大きく向上しています。頻繁に出入りする業者については暗証番号を割り当てる方式を採用し、カードリーダーの利便性をいかしつつ、自動ドアの開閉をスムーズに行える運用を実現しました。
⚪︎宿舎にカードリーダーKJ-150を導入
ある学校の宿舎は、事務室や教室としても利用される複合的な施設でした。そのため、入居する外国人のプライバシー保護や安全確保、入退室管理の精度を高める目的で、自動ドアにカードリーダーKJ-150を後付けしました。宿舎の入口に設置されたカードリーダー付き自動ドアは、認証カードを登録した入居者や職員のみが通過できる仕組みとなっています。これにより、授業参加のために訪れた学生が誤って宿舎に立ち入るリスクを防止でき、カードリーダーが宿舎の安全性と管理体制を強化する役割を果たしています。
◎まとめ
カードリーダーの後付けにより、自動ドアは単なる入口から「本人確認を伴う安心のゲート」へと変わり、不審者の侵入防止、入退室の可視化など多くの効果を発揮します。また、カードリーダーは暗証番号認証との組み合わせや段階的な導入、将来的な拡張にも対応でき、企業や施設の成長にあわせて柔軟に運用を続けることが可能です。自動ドアにカードリーダーの後付けをご検討の方は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。



