コラム
COLUMN
入退室管理システムで実現する在席確認の効率化
近年働き方改革の推進により多様な働き方が普及し、従来の手法では在席管理が困難になってきています。従業員の居場所を把握できる入退室管理システムの導入はこうした在席管理の課題に対する解決策となり、生産性向上につなげることができます。入退室管理システムと組み合わせる認証システムでは生体認証がセキュリティ面での信頼性が高く、多くの企業に選ばれています。そのなかでも、強固なセキュリティ性や利便性を発揮する静脈認証が、入退室管理システムと併用する認証システムとして今注目されています。
◎企業における在席確認の重要性
テレワークや従業員が固定席を持たずに自由な場所で業務を行うフリーアドレスなど働き方の多様化により、いつ誰がどこにいるのかという在席確認が難しくなってきています。この在席確認が適切に行われていないと、企業にとってさまざまなデメリットが生じ生産性の低下を招くことになります。たとえば、電話の取り次ぎや急な来客の際にその都度ホワイトボードなどで在席状況を確認しなければならず、手間がかかり本来の業務に支障をきたし兼ねません。また急きょ会議室を使用したい場合に、空き状況がわからず確認作業に時間がかかってしまうということもあります。こういった時間ロスの積み重ねによって従業員のモチベーションが低下し、生産性も下がってしまうのです。在席管理が適切に行われないことによるデメリットとして、勤怠管理が煩雑になるということもあげられます。リアルタイムで誰がどこにいるのかが把握できていなければ、長時間労働のリスクや適切な有給休暇取得ができず、従業員の心身の健康を守ることができません。セキュリティ面においても、内部不正や外部の人物による不正侵入のリスクが生じる可能性があります。顧客情報や開発中の製品情報など重要な情報が保管されているエリアの在席状況が把握できていなければ、機密情報の持ち出しや窃盗、紛失などが起こり得ます。そのエリアにいつ、誰が入室していたかという記録がなければ、機密情報が流失し企業の大損失、社会的信用の失墜にも発展してしまうのです。また緊急事態や災害時に従業員の在席確認ができなければ安否確認に時間を要し、従業員の身を危険に晒すことになります。このような課題に対して入退室管理システムなどを活用して在席確認を適切に行うことは、企業にとって非常に重要なことなのです。
◎在席管理を効率化する入退室管理システム
企業における効率的な在席管理の実現には、入退室管理システムの導入が最適な解決策となります。入退室管理システムはだれが、いつ、どのエリアに出入りしたのかを正確に記録、管理するシステムです。オフィスや工場、店舗などさまざまな場所で入退室管理システムが導入されており、セキュリティ問題や勤怠管理の課題解決に大きく寄与することが期待されています。入退室管理システムはICカードやスマートフォン、顔認証や静脈認証などの認証システムと組み合わせて、入退室を正確に管理します。入退室管理システムは在席管理のさまざまな課題に対して複数のソリューションを提供します。従来のホワイトボードによる手書きの在席管理では従業員の在席状況をその都度確認しに行く必要があり、業務効率を著しく低下させていました。入退室管理システムではパソコンの画面で即座に在席状況を確認できるため、業務の中断を最小限におさえることができます。入退室管理システムを活用することで、各部屋の利用状況が把握しやすいため、会議室の予約や空き状況の確認も迅速に行うことができます。入退室管理システムに記録された入退室ログを分析することで、オフィススペースの利用効率を可視化し、最適な空間設計に活用することができます。入退室管理システムのログによって従業員の在席パターンを分析することもでき、業務の繁閑を把握して人員配置の最適化に活用することもできます。ログ機能は、感染症対策においても、誰が、いつ、どのくらいの時間滞在していたかという記録を分析することにより感染経路を辿り、感染拡大を防ぐことができます。労務管理の観点からも、入退室管理システムと勤怠管理機能を連携させることで、従業員の在席状況をリアルタイムで把握することができ、長時間労働の防止や適切な休暇取得の促進につながります。タイムカードを打刻した後に残業をするサービス残業も、退室しないと退勤扱いにならないため、労働環境の適正化を図ることができ、従業員の心身の健康管理を効果的に行うことが可能です。従来の在席管理と比較して、入退室管理システムを活用した在席管理は人的ミスや記入漏れを大幅に削減することにより、労務管理の効率化を図ることができます。労務管理が効率化されると管理者の業務負担が減るため、入退室管理システムの導入は結果的にコスト削減にもつながります。勤怠管理のログを一定期間保存しておくことで、働き方改革の推進にも役立ちます。入退室管理システムは利便性だけでなく、セキュリティ面の課題解決にも有効です。入退室管理システムに生体認証などの認証システムを併用することによって個人を正確に特定し、許可されたエリアへの入退室を適切に管理できます。これにより内部不正を防止するとともに、部外者の不正侵入も未然に防ぐことができます。万が一、トラブルが発生した場合でも入退室管理システムのログ機能で在席状況を確認し、早期解決を図ることができます。入退室管理システムと防犯カメラを併用すれば、よりセキュリティ性を強化することが可能になり、不正侵入の抑止力にもなります。勤怠記録を活用し入退室の履歴を正確に管理することで、ISMSなどの認証制度対策にもなります。災害時の事業継続計画(BCP)の観点からも、入退室管理システムは重要な役割を果たします。大きな災害や緊急事態が起きた際、入退室管理システムに記録された在席情報をもとに従業員の居場所を速やかに特定し、安否確認や効率的な避難経路の確保などを行うことが可能です。これにより、従業員の安全確保と事業の早期復旧に貢献します。入退室管理システムは在席管理において、労務管理の効率化やセキュリティ強化、緊急時対応など企業における多様なニーズに応える総合的なソリューションとして期待されています。
◎高い認証率を誇る静脈認証の特徴
入退室管理システムに用いられる認証システムにはカード認証や暗証番号認証、生体認証などがありますが、高い精度で個人を特定する生体認証が今多くの企業や施設に選ばれています。生体認証はカード認証や暗証番号認証と違いなりすましや盗難が困難なため、入退室管理システムのセキュリティを強化できます。入退室管理システムと組み合わせる生体認証には、顔認証や指紋認証、静脈認証などがありますが、なかでも静脈認証はその認証率の高さから、入退室管理システムのセキュリティ性を向上させる認証方法です。静脈認証は近赤外線透過光方式といって、手のひらや指の静脈を近赤外線で透過させ静脈認証リーダーで静脈パターンを読み取る認証方法です。あらかじめ登録しておいた静脈パターンと静脈認証リーダーで読み取った静脈パターンを照合し、一致すると入退室の許可される仕組みです。静脈は動脈よりも皮膚に近い場所を通っていて読み取りやすく、静脈中の還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収する特性があることから、静脈認証では静脈のパターンを読み取る方式を取っています。静脈認証は顔認証のように経年変化による影響を受けません。顔認証は年齢の変化による影響で認証率が低下すると再登録をしなければなりませんが、静脈は生涯ほとんど変わることがありません。また指紋認証のように怪我や手荒れなどによる影響もないため、基本的に再登録する必要がなく手間がかかりません。静脈認証は、生体情報が流出してしまうとその生体情報は変更が不可能なので、データの管理には細心の注意が必要です。静脈認証は温度や湿度など環境の影響を受けにくいため、工場や倉庫などさまざまな環境下で入退室管理システムを導入している場合でも使用が可能です。静脈認証は体内の静脈を読み取るため、複製による不正認証のリスクを軽減できます。静脈認証は、体内の静脈を複製することは困難であるため、入退室管理システムにおいてよりセキュアな認証方法といえます。また静脈パターンは固有性が高く、入退室管理システムにおける認証方法のなかでも、認証精度が非常に優れているのが特徴です。静脈認証は、他人が認証を試みた際に誤って認証されてしまう他人受入率が顔認証や指紋認証に比べて低く、不正認証のリスクを大幅に軽減することができます。感染症対策の観点からも、非接触での認証が可能な静脈認証はより衛生的な入退室管理を実現しています。病院や食品工場など衛生管理が厳格な施設に入退室管理システムを導入する際でも、機器に触れることなく認証可能な静脈認証は安心性と衛生面の両方を担保できます。感染症が流行している時期でも、静脈認証なら非接触で利用者の抵抗感も低減できます。静脈認証には指静脈認証と手のひら静脈認証があり、指静脈認証は認証機器が小型で省スペースでの設置が可能になります。手のひら静脈認証は太い血管があるため寒さによる影響が少ないのが特徴で、また指静脈認証に比べて読み取る静脈本数が多く、非常に高い認証精度を有しています。そのためより高度なセキュリティ性が求められるエリアには、入退室管理システムと併せて手のひら静脈認証の導入が最適であるといえます。手のひら静脈認証は、認証機器が大きくなりがちという難点がありましたが、最新技術により広角レンズで補正をかけ、小型でも従来と変わらない認証精度を保つことができるようになりました。このように高い利便性とセキュリティ性を有する静脈認証は、入退室管理システムとの併用でより卓越した入退室管理を実現できます。
◎入退室管理システムを効率化する顔認証リーダーFE-700
KJ TECH japanの顔認証リーダーFE-700は、入退室管理システムを効率化する機能を兼ねそなえています。顔認証リーダーFE-700は顔認証に加え、静脈認証やカード認証にも対応しており二重認証が可能なため、入退室管理システムにおいてより高度なセキュリティ性を発揮します。多要素認証とは暗証番号認証のような知識情報、カード認証のような所持情報、静脈認証のような生体情報から2つ以上の認証を組み合わせて行う認証方法で、より高いセキュリティ性が要求されるエリアに入退室管理システムを導入する際に最適です。入退室管理システムにおいて、ハンズフリーやウォークスルー認証が必要とされるシーンでは顔認証、よりセキュアな認証が必要なシーンでは静脈認証といったように使い分けができる点も顔認証リーダーFE-700のメリットになります。カード認証は、200,000件もの大容量登録に対応し、Mifare、EM、Felica、iCLASSなど、入退室管理システムにおいて主要なカード規格をサポートします。顔認証リーダーFE-700は、手のひら静脈認証を採用しており、5インチのスリムなタッチスクリーンながら入退室管理システムにおいて高度な認証精度も担保できます。手のひら静脈認証は乾燥や汗、傷などの影響を受けにくく、経年変化も少ないので1度登録すれば再登録はほぼ必要ありません。静脈認証の認証速度は0.5秒未満という速さで、ストレスフリーな入退室が実現できます。顔認証のスキャン距離は0.3m~1mでウォークスルー認証が可能なため、入退室管理システムと併用することで朝の出勤時間の混雑解消にも役立ちます。静脈認証の角度は水平回転が±20、垂直角度が+20と広範囲に対応しているため、入退室管理システムの利便性も向上します。イベントログは1,000,000件登録可能で、入退室管理システムにおける在席管理の効率化にも有効です。動作温度範囲は-20℃~+70℃、湿度範囲は20~80%で屋外に入退室管理システムを設置する際も対応可能です。静脈認証が搭載された顔認証リーダーFE-700は、入退室管理システムの利便性やセキュリティ性を向上させることができます。
◎高度なセキュリティ性を確保する顔認証リーダーFE-700の導入事例
静脈認証にも対応した顔認証リーダーFE-700を導入することで高度なセキュリティ性を実現します。出入口に取り付けることで、在席確認が可能となり、不正な侵入を防ぐと同時に、従業員の勤怠を管理できます。
⚪︎オフィスのエントランスに顔認証リーダーFE-700を導入
オフィスのエントランスは従業員をはじめ、取引先担当者や来客など社内外の関係者が頻繁に出入りするため、セキュリティ確保と円滑な入退室の両立が求められていました。入退室管理システム導入によって勤怠管理が効率化され、在席確認の負担も軽減されました。入退室管理システムに顔認証リーダーFE-700を組み合わせ、0.5秒未満という認証速度で出退勤時の混雑解消にも貢献しています。
⚪︎食品工場に顔認証リーダーFE-700を導入
食品工場では、意図的な異物混入を防ぐフードディフェンス対策が重要課題となっています。入退室管理システムの導入により許可された従業員のみが入室でき、静脈認証の高い認証率によってなりすましや不正侵入を防止し、工場のセキュリティレベルを大幅に向上させることができました。入退室管理システムのアンチパスバック機能も活用し、共連れ防止効果も期待できます。衛生面でも、静脈認証と自動ドアを併用することで非接触認証が可能になり、衛生的な入退室が実現できました。
◎まとめ
企業において在席管理は、セキュリティ性や利便性を確保するために重要な役割を担っています。入退室管理システムは、利便性やセキュリティ性、衛生面の観点からも、企業の課題に大きく貢献する重要なソリューションとして注目されています。さまざまな生体認証のなかでも、静脈認証は高い認証率と複製困難、非接触での認証が可能という特徴があります。静脈認証を用いた入退室管理システムの導入をご検討の際は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。