コラム
COLUMN
顔認証を無人店舗に採用するメリットと導入時のチェックポイント
人件費の高騰や感染症対策の一環として、従業員が店舗に常駐して訪れた顧客の対応をしない、無人店舗を選択して店舗を運営するケースが増加しています。無人店舗で顔認証を活用すると、無人店舗の課題だったセキュリティの改善や、人件費の削減、顧客の好みのデータ収集が可能です。顔認証を無人店舗で採用するときは、顧客から取得する個人情報の保護の徹底や、顔認証機能を適切に利用できる環境づくりが欠かせません。顔認証を無人店舗に採用するメリットをしっかり感じるには、顔認証を導入するときの確認点の把握が重要です。
◎無人店舗が直面している課題
無人店舗では、店舗を訪れた顧客が入店から支払い、退店するまで従業員とコミュニケーションを取らずに商品の購入ができます。無人店舗の件数が増加している要因は、人口減少や土地柄による従業員のなり手不足、新型コロナウイルス感染症がきっかけの非接触と非対面文化の広まりです。日本国内で無人店舗の件数が急速に増加するにつれて、無人店舗で発生する課題やトラブルがテレビやネットニュースを騒がせる機会も増えました。無人店舗が直面している課題の最たるものには、防犯セキュリティの弱さがあげられます。無人店舗では、従業員が常駐していなかったり、店内にいても顧客が見えない場所にいたりするため、商品の窃盗や備品の破損をはじめ、違法行為の抑止力が万全とはいえません。悪意をもって来店した人物が、従業員の目をかいくぐる必要のない無人店舗は、残念ながら、窃盗という目的を達成しやすい環境を作っています。窃盗が原因の売上の損失は、有人店舗と無人店舗、関係なく両者に大きな金銭的な損失や精神的なダメージを与えます。無人店舗で窃盗が容易な環境が作り上げられてしまうと、以前窃盗を行った人物が再度窃盗に及んだり、ほかの人物が犯罪行為に手を染めたりなど、さらなる被害を生みかねません。無人店舗で発生し得る犯罪行為の防止や抑止には、来店客が目に見えるかたちで従業員が店内にいると有効ですが、無人店舗ではなくなります。店舗の立ち上げを検討したときに、有人店舗ではなく無人店舗を選択した理由は、運営費用の多くを占める人件費の削減もあげられるため、本末転倒の結果を招きます。誰でも気軽に入店でき、誰の目にも留まらずに商品を購入できる無人店舗は、従業員不足や感染症対策として有効です。一方、無人店舗の特性は、防犯面でのセキュリティの脆弱さと判断される場合もあります。悪意をもっている人物が無人店舗の特徴を悪用し、損害を与えるケースが多数存在するため、無人店舗の課題のひとつとして認知されています。
◎顔認証を無人店舗で活用するメリット
顔認証とは、人間の身体的な特徴を利用した生体認証のひとつで、人間の顔の凹凸や目鼻の距離などを使って、個人を特定する本人認証方法です。二次元情報だけではなく、三次元情報も使って顔を分析するため、顔認証カメラの目の前にいる生体を的確に識別できる能力を有しています。正確に個人を識別する性能をもつ顔認証を無人店舗に導入すると、多彩なメリットを得られます。顔認証を無人店舗で活用するメリットのひとつは、無人店舗に入った瞬間から、不法行為の抑止を期待できる高いセキュリティです。顔認証を使って無人店舗に入店するときは、顔認証リーダーに個人の顔を事前登録し、本人特定されてはじめて立ち入れるからです。無人店舗では、従業員の不在や、不法行為をしている人物をすぐに特定でいない環境がセキュリティの脆弱さを生み、犯罪を防止しきれない状態を招いていました。一方、顔認証を導入すると、誰が、いつ無人店舗に顔認証を使って入ったか、顔認証リーダーに正確に記録されるため、不法行為に手を染めにくい環境を作れます。誰か特定された後に無人店舗に入る顔認証の仕組みを活用した、強固なセキュリティ環境の確立により、無人店舗の防犯対策が飛躍的に改善します。安全性を保ちながら人件費を削減できるポイントも、無人店舗に顔認証を取り入れるメリットのひとつです。店舗運営コストに占める割合の高いコストのひとつには、従業員を雇うコストがあげられます。従業員を削減すると人の目が減り、無人店舗内のセキュリティ低下につながります。一方、顔認証を導入し、誰が入店したか記録する仕組みを作ると、安全性を維持しながら人件費のカットが可能です。また、接客が必要な有人店舗では新しい人材を雇用した際、接客の教育が必要ですが、顔認証を利用した無人店舗では、接客教育のコストも省けます。余裕がでた人的リソースは、売上向上の企画立案や無人店舗の運営戦略をはじめ、別の重要な業務に活用できます。顔認証を無人店舗に採用するメリットには、無人店舗を利用した顧客の行動データや購入データの収集もあげられます。無人店舗を利用する顧客の、年齢や性別、購入した商品のデータが手に入ると、無人店舗の運営方針の決定やより適した商品の選定、マーケティングに活用できるからです。顔認証を導入する際、個人の顔の登録が必要ですが、顧客の了承を得たうえで、同時に性別や年齢、家族データなどと結びつけておくと、詳細な顧客データの収集ができます。顧客の嗜好を把握できると、売上の上昇や無人店舗の運営規模の拡大が見込めます。無人店舗での顔認証の活用は、ハイレベルなセキュリティ対策だけではなく、マーケティングの手段としても有効です。
◎無人店舗で顔認証を導入するときに確認したいポイント
顔認証を無人店舗で利用するときに事前にチェックしたいポイントのひとつは、顧客から取得した個人情報の保護の徹底です。基本的に顔は露出していて隠している人は少ないですが、個人を特定できる重要な個人情報として扱われます。無人店舗で顔認証を使うときは、予告期間を確保せずに導入するのではなく、しっかりと事前周知を行い、顧客や見込み顧客に情報を浸透させないといけません。事前の情報共有が不十分だと、顧客から反発を買ったり、利用しにくい無人店舗だと思われたりしてしまいます。また、顔認証は有名かつなじみのある本人認証の手段ですが、日常的に使う店舗での利用に違和感を覚える人もいるため、配慮が必要です。安心して顔認証を使ってもらうには、顔認証をする顧客に、取得した顔情報の取り扱いやセキュリティ体制の丁寧な説明が欠かせません。顧客に安心を与えるには、顔認証を扱う側の従業員に、徹底した個人情報保護の教育を施している実態の共有も重要です。日常的に利用する無人店舗から顔認証を求められると、心理的な負担を感じる顧客も少なくありません。顧客の心配が少しでも減るよう、個人情報保護の徹底は、無人店舗で顔認証導入を検討するときのチェックポイントです。無人店舗で顔認証を導入するときに確認したいポイントには、顔認証がもたらすメリットをしっかり感じられる環境づくりもあげられます。何も検討せずに顔認証の運用を始めてしまうと、適切に顔認証が機能しなかったり、メリットを得られなかったりするからです。たとえば、顔認証カメラが人間の顔を認識するには、光が必要です。顔認証リーダーを設置する場所が暗かったり、夜間や深夜帯の利用も検討したりする場合、暗所でも問題なく顔認証できる顔認証リーダーが求められます。また、顔認証リーダーのなかには、二次元情報のみを使って顔認証を進める認証リーダーがあります。三次元情報が不要な顔認証リーダーを設置すると、写真や画像を使った不正アクセスを防げません。顔認証リーダーを選択するときは、二次元情報と三次元情報のふたつが顔認証に必要な認証リーダーを選ぶと、セキュリティレベルを保った無人店舗運営が可能です。
◎顔認証が無人店舗でも実現する認証リーダーFE-400
KJ TECH japanの顔認証リーダーFE-400は、世界各国で導入されている顔認証リーダーのひとつで、高度な顔認証システムや高性能な顔認証カメラが備わっています。顔認証リーダーFE-400で特筆すべきポイントのひとつは、Starlight Cameraの搭載です。Starlight Cameraは、光が非常に少なく暗い場所でも、色鮮やかなカラー映像を撮影できる機能をもったカメラです。通常、夜間や照度の低い環境で映像を撮ると、鮮明な色合いが映像では表現されません。微弱な光でも明瞭なカラー映像を提供できるFE-400は、暗い場所でも精度を下げずに、正確に顔認証ができる認証リーダーのひとつです。また、顔認証カメラで捉えた人物が着ていた服の色や髪の毛のカラーリングまで、映し出されます。万が一、無人店舗内で不法行為が起きても、人物を速やかに特定し、どのような出で立ちだったか証明できます。Starlight Cameraが搭載されたFE-400は、正確な顔認証と高いセキュリティ体制を構築できる顔認証リーダーです。Starlight Camera以外にも、顔認証リーダーFE-400には優れた機能が複数備わっています。FE-400では、マスクを着用していても問題なく顔認証を実施できる、マスク検出機能があります。新型コロナウイルス感染症をはじめ、各感染症や季節性のインフルエンザが流行しており、マスクを取りたくないタイミングでも、FE-400はマスクをしたまま顔認証が可能です。マスク検出だけではなく、顔認証に要する時間が極めて短いポイントも、FE-400の優秀な性能のひとつです。FE-400では、10K-Face 1:Nモードを選択すると、顔認証がはじまり終了するまでにかかる時間が、1秒を切ります。顔認証カメラの範囲内に顔が収まっていたら、立ち止まらずに顔認証ができるため、FE-400を採用すると、ウォークスルーも実現します。マスク検出と短時間の顔認証、ウォークスルーにより、利用者は強固なセキュリティを確立させながらも、ストレスフリーな顔認証が可能です。また、FE-400には、カード認証機能もインストールされています。顔認証とカード認証を利用すると、セキュリティレベルに強弱をつけたり、急なトラブルで顔認証が利用できないシーンでも、無事に本人認証できたりする仕組みを作れます。
◎顔認証リーダーFE-400を無人店舗に活用した導入実績
FE-400にインストールされている顔認証は、人間の顔の二次元情報と三次元情報を活用して個人を識別する本人認証方法です。FE-400は、顔認証のメリットを感じながらもStarlight Cameraの搭載により、暗所でも正確に顔認証が可能な顔認証リーダーです。
⚪︎食品を扱う無人店舗に顔認証リーダーFE-400を導入した事例
無人で食品を販売している店舗の運営者は、食品の窃盗被害に悩んでいました。無人店舗を続けながら窃盗の被害をなくす仕組みを考えた結果、顔認証リーダーの設置を決定しました。顔認証の導入前は、無人店舗を利用する顧客に周知を行い、了承を得たうえで運用を開始しています。顔認証により、誰がいつ無人店舗に入店し退店したか明確になるため、窃盗に及ぶ人物へのけん制となり、窃盗被害の発生を未然に防いでいます。
⚪︎24時間営業のコインランドリーに顔認証リーダーFE-400を導入した事例
ある24時間営業の無人店舗のコインランドリーでは、誰もが夜間や深夜帯でも安心して利用できるセキュリティ方法を検討していました。人の目の代わりとして、事前登録した人のみ入店できる顔認証リーダーを採用しました。身分を明かしたうえで利用するため、セキュリティや店内治安の維持にも有効に働いています。また、FE-400搭載のStarlight Cameraにより、周辺が暗い時間帯でもトラブルなく顔認証を運用できています。
⚪︎深夜帯も営業するジムに顔認証リーダーFE-400を導入した事例
深夜帯の営業も行っているジムでは、暗所での本人確認に課題を抱えていました。ビル内の照明が夜間用に切り替わると周囲が暗くなるため、会員証で本人確認しにくいと苦情を受けていました。解決策として、Starlight Cameraで暗所でも顔認証できるFE-400を設置し、手ぶらで入店できる仕組みを作りました。以前よりも、スムーズかつストレスなく入店できるため、苦情も減り適切なジム運営を行えています。
◎まとめ
無人店舗に顔認証を導入すると、セキュリティの脆弱さが原因で起きがちな問題の抑止と解決にアプローチできます。また、無人店舗のセキュリティ改善だけではなく、人件費や人員配置の改善と見直し、顧客の購入データの収集も可能です。顔認証がもたらす多種多様なメリットを受けるには、徹底した個人情報保護対策と顔認証を利用する環境づくり、精度の高い顔認証リーダーの選定が欠かせません。顔認証を無人店舗に採用するメリットと導入時のチェックポイントにご興味がある際は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。