コラム
COLUMN
出退勤管理における課題を解決するアクセスコントロールの導入
働き方改革などにより出退勤管理に課題を感じている企業は多く、それらの課題を解決するアクセスコントロールの導入が進んでいます。出退勤管理にアクセスコントロールを活用することで、堅実なセキュリティや業務効率化を図ることができます。アクセスコントロールに顔認証を組み合わせることによって、利便性かつ強固なセキュリティの出退勤管理を実現できます。
◎出退勤管理の課題と企業に求められる対応
従来の出退勤管理では、セキュリティ性や利便性においてさまざまな課題がありました。タイムカードによる出退勤管理では、従業員による不正打刻のリスクがあげられます。遅刻しそうになった時に第三者に代理打刻を頼んだり、実際には残業を行っていないにも関わらず定時に打刻せず数時間経ってから打刻するいわゆる「カラ残業」など、不正打刻は企業にとっては損失につながりかねません。従業員による不正打刻だけではなく、管理者が定時に打刻させて残業をさせるといったケースもあります。このような不正打刻は従業員との信頼関係の悪化や企業の信用にも関わってくる非常に重大な問題です。従来の出退勤管理では管理者の負担が大きく、手作業によるヒューマンエラーや改ざんのリスクが起きやすいという問題もありました。タイムカードによる出退勤管理では給与計算に多大な時間と労力を使うためミスが起きやすく、管理者によって簡単に改ざんを行うこともできてしまいます。また出退勤管理が煩雑になると労働関連の法改正に追い付かず、法律違反を犯すリスクもあります。働き方改革により2019年の4月「労働安全衛生法」が改正され、「客観的方法による労働時間把握」が義務化されました。タイムカードに手書きで出退勤時刻を記入するなどの自己申告は、原則「客観的方法による労働時間把握」に該当しません。この義務に対する直接的な罰則はありませんが、労働時間を正確に把握していないことによって違法な時間外労働があった場合には刑事罰の対象になることがあるのです。法律違反は企業の信頼を失墜させ大きな損失につながってしまうため、正確な出退勤管理は必要不可欠です。正確に出退勤を管理することは法律を遵守しているという証明にもなり、企業の社会的信用を高めることができます。出退勤管理における人的コストも課題のひとつです。企業の規模が大きくなるほど給与計算などの出退勤管理における人件費がかかります。労務管理を効率化することは人的コストを削減するだけでなく、生産性の向上にもつながります。適切な労働時間や有給休暇取得は従業員のモチベーションアップにもなり、生産性を向上させることができるのです。また近年働き方の多様化により正確な出退勤管理が困難になっているという課題もあげられます。リモートワークなどの勤務形態においては、従来の出退勤管理では適切な対応が困難であるため、システムを活用し効率的に管理することが求められています。
◎出退勤管理のソリューションを提供するアクセスコントロールシステム
アクセスコントロールを活用することで、従来の出退勤管理の課題解決が期待できます。アクセスコントロールとは、情報にアクセスする人物や時間帯などを制御する論理的アクセスコントロールと、特定の場所に出入りする人物や時間帯を制御する物理的アクセスコントロールがあります。アクセスコントロールの機能を実装した認証システムや入退室を物理的に制限するフラッパーゲートなどを総称してアクセスコントロールシステムといいます。出退勤管理にアクセスコントロールシステムを導入することで、人的ミスを防いで正確な給与計算が可能になります。アクセスコントロールシステムは出退勤データから自動的に給与計算を行えるので、手動の出退勤管理による人的ミスを防ぎ、労務管理者の負担も軽減されます。労務管理者の負担軽減は、人的コストの削減にも貢献します。従来の警備員や受付によって行われていた出退勤管理も、アクセスコントロールシステムで管理することにより人件費削減につながります。アクセスコントロールシステムはリアルタイムで出退勤を把握できるため、労働環境の見直しなどにも迅速に対応可能です。リアルタイムで出退勤管理を行うことで、従業員の出勤日数や残業、有給休暇の取得状況などがその日のうちに把握でき、時間外労働の防止や労働時間の調整に素早く対応できます。アクセスコントロールシステムで出退勤状況を把握することは、労働関連の法改正にも柔軟に対応できます。労働基準法などの労働関連の法律は度々改正されるため、従来の出退勤管理では十分に対応できないという課題がありましたが、アクセスコントロールシステムを導入すればソフトウェアをアップデートすることで、円滑に法改正に沿った出退勤管理が可能になります。アクセスコントロールシステムは複数拠点の出退勤データを一元管理できるので管理の手間を省くことができ、また各拠点のセキュリティ方針を統一することができます。出退勤管理を一元化することは、あらゆる働き方にも対応できるというメリットもあります。リモートワークの普及や就業形態の多様化、フレックスタイム制などにより、出退勤管理は以前よりも煩雑になりがちです。アクセスコントロールシステムのシフト管理機能を活用すれば、個々の出退勤状況やシフトの作成、変更、あらゆるデバイスからの打刻が可能になるため、管理者負担の大幅な軽減が期待できます。またタイムカードによる出退勤管理で起こる不正打刻や不正侵入の課題も、アクセスコントロールシステムに顔認証などの生体認証と組み合わせることで解決できます。
◎効率的なアクセスコントロールを実現する顔認証システム
出退勤におけるアクセスコントロールをより効率的かつセキュアに構築するには、生体認証を組み合わせるのが最適です。生体認証のなかでも、カメラによって人の顔の特徴を独自のアルゴリズムで解析し、登録データと照合して認証を行う顔認証が今注目されています。顔認証の技術は日々進化しており非常に高い精度で個々の顔を識別するので、第三者による不正侵入を防ぐことができます。従来のカード認証やID認証では盗難や盗み見などのリスクがありましたが、顔認証はそういったリスクがなくセキュリティ性が高いアクセスコントロールを可能にします。3D認証方式の顔認証では赤外線によって顔を立体的に検知し、写真や動画を使用した不正認証を防止し、さらにメイクやヘアスタイルの変化にも対応し認証します。マスク検出機能を搭載した顔認証ではマスクを外すことなく認証できるため、効率的に出退勤を行うことができます。また出退勤管理において代理打刻が課題になっていましたが、顔認証では顔の貸し借りは不可能なのでそういった代理打刻を防止し、正確な出退勤管理が可能になります。出退勤管理においてアクセスコントロールに顔認証を組み合わせることで、従業員側にもメリットがあります。カメラに顔を向けるだけで認証できる顔認証は、朝の混雑する時間帯でもスムーズに認証できるので、ストレスフリーな出退勤を実現します。また顔認証は非接触で認証が可能なので、感染症が流行する時期や病院や介護施設などの徹底した衛生管理が必要な場所でも衛生的に認証でき、荷物で両手が塞がっている場合でもハンズフリーで認証可能なことも従業員側のメリットのひとつです。セキュリティ面においてもログ機能で照合時の顔画像を記録できるので従来の出退勤管理よりも視認性が向上し、セキュリティ強化につながります。アクセスコントロールにはアンチパスバック機能が搭載されているものがあり、この機能によって共連れによる情報漏洩を防止することができます。共連れとは入室権限のある人物と一緒に、権限のない人物が入室してしまう行為のことです。アンチパスバックは入室記録のない人物の退室を許可しない機能で、共連れによって不正に入室できたとしてもこのアンチパスバック機能によって侵入者は退室できずに閉じ込められるため、機密情報などの持ち出しを阻止することができます。このアンチパスバック機能を最大限いかすことができるのが、顔認証です。なりすましが困難な顔認証はアンチパスバック機能のセキュリティ性を高め、また顔認証時の記録が残ることから侵入者への心理的圧力となり、不正侵入を未然に防ぐ効果も期待できます。このように顔認証は出退勤管理において、アクセスコントロールと組み合わせるとその効果を最大限にいかすことができる認証システムといえるのです。
◎アクセスコントロールのセキュリティ性を強化する顔認証リーダーFE-700
KJ TECH japanの顔認証リーダーFE-700は、最新技術でアクセスコントロールのセキュリティ性を強化し、出退勤管理を効率化します。顔認証リーダーFE-700は2コアCPU採用で1秒未満の認証速度で照合するため、出退勤時の混雑解消に非常に有効です。カメラは2メガピクセルのデュアルカメラ搭載で立体的に顔を認識し、なりすましを防止します。ライブ検出機能は写真や動画による不正認証を検知します。顔認証リーダーFE-700は静脈認証、カード認証にも対応しており、これらの認証方法を組み合わせることでよりセキュリティに優れた出退勤管理が可能です。カード認証はMifare、EM、Felicaなど各種カードを取り扱っており、200,000件まで登録できます。1,000,000件のイベントログを記録できるので、出退勤管理を効率化し管理者の負担軽減が期待できます。顔認証リーダーFE-700の液晶ディスプレイは5インチのタッチスクリーンによって直感的な操作が可能で、従業員は抵抗感なく誰でも簡単に使用することができます。製品サイズは211mm×100mm×26mmと圧迫感のないスリムなボディで設置場所を選びません。防水防塵等級はIP65で屋外にも設置できるため、工場や建設現場などの出退勤管理にも活用できます。また顔認証リーダーFE-700のマルチ検出モードにより複数の人物を同時に認証できるため、従業員数の多い企業でもスピーディーな出退勤が可能になります。
◎出退勤管理に顔認証リーダーFE-700を導入した事例
アクセスコントロールシステムを導入することで従来の出退勤管理の課題を解決し、より効率的でセキュリティ性の高い出退勤管理を実現することができます。
⚪︎オフィスの出退勤管理に顔認証リーダーFE-700を導入
オフィスのエントランスには、従業員のほかにクライアントや業者など不特定多数の人間が出入りするため、アクセスコントロールシステムの導入が最適です。アクセスコントロールのログ機能により正確な労働時間を把握でき、煩雑になりがちな出退勤管理を簡素化することができました。アクセスコントロールのログ機能は出退勤において問題が発生した場合でも、速やかに人物や原因の特定が可能であるためセキュリティ性も高めることができます。アクセスコントロールに顔認証リーダーFE-700を用いることで、ピークの出退勤時間帯でもスムーズに出入りでき、混雑解消につながりました。
⚪︎24時間営業スーパーの出退勤管理に顔認証リーダーFE-700を導入
24時間営業のスーパーでは正社員やパート、アルバイトなどさまざまな雇用形態で働く従業員がいるため、従来の出退勤管理では管理者に負担がかかり過ぎるという問題がありました。出退勤管理にアクセスコントロールシステムを導入することで、労働時間の正確な把握やシフト管理の簡素化が可能になりました。またタイムカードによる出退勤管理で起こる人的ミスも防ぐことができ、労務管理が効率化され人件費削減も実現できました。アクセスコントロールに顔認証リーダーFE-700を組み合わせることで従業員による不正打刻も防ぐことができました。
◎まとめ
時代の流れと共に変化する企業に求められる出退勤管理に対応するために、アクセスコントロールは欠かせないものとなってきています。管理者にとっても従業員にとっても利便性が高く、セキュリティ強化に貢献するアクセスコントロールシステムは、顔認証によってその効果をより高めることができます。出退勤管理にアクセスコントロールシステムの導入をご検討の際は、KJ TECH japanまでお問い合わせください。